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 ○勝利へ

  勝利のため

  スポーツの勝ち負けは人生の疑似体験なんです。
  そして、その疑似体験の中で、体力向上や、フィジカル、
  メンタルの向上をさせておくことで、逆境や負けた経験、
  つらい思い、それを疑似体験として自分の中に取り込んで、
  実際の社会生活でももうちょっとできるかな、
  八分目まで来たから切りかえようというふうに切りかえさせる。


  そういうトレーナーと選手と、あるいは指導員の方と選手と、
  先輩と後輩という形でコミュニケーションをとっていくことが、
  これから大事になってきます。
  復帰に対して大事になっていくと思います。


  僕自身、パラリンピックという種目に出会うまでは、
  F1のフォーミュラカーのレーサーのトレーナーをして、世界中転戦をしていました。
  世界最高峰と言われるF1というところで活動していました。
  しかし、その選手にも事故が発生し、命を失うことになってしまいました。


  パラピンピックチェアスキーで金メダルを取った志鷹昌浩選手というのは、
  バイクの事故で頸椎損傷をして、下半身不随になりました。


  ベッドで寝ているときに、何度も神経をつなぐ手術を受けるということで、
  麻酔を何度も何度も受けて、手の指先までもしびれてきてしまいました。


  脊損になった車いすの選手がどういう感覚かというと、
  皆さん正座したことがありますよね、30分や1時間くらい正座しますとしびれます。
  そのジーンとしびれた感覚が24時間ずっと続いているわけです。
  触っても感じない。


  だからパラリンピック、チェアースキーで雪の上のトレーニングをするのに一番気をつけなければいけないのは、
  彼らの足の指が凍傷になっていないかということなんです。
  靴を脱いだ瞬間に、ブーツの中は血だらけになっている。


  凍傷でつめがはがれてしまっている。
  気がつかないんです。
  そういうところに注意を向けて、彼らと一緒に何年も何年もスキーの技術向上をしてきました。


  交通事故で脊損になった、あるいは車いすになった、
  あるいは草刈機で両・片足を切ってしまった、
  あるいはスイスの選手は右腕がここからないんですけれども、
  これはリフトの上のいすの雪を下ろすところに、自分のほうき、
  向こうはブラシなんですが、ブラシがかちんとひっかかって、
  そのままここから上が抜けてしまった。


  ほんのささいな事故で、部位欠損、部位欠落というのは簡単に発生します。
  でも人間は強いです。
  彼らは強いです。
  それを続けることで、おれは生きているぞ、スポーツをやっているんだぞというのを伝えています。


  僕は彼らを見て、あるいは地雷を踏んだ子供たちを見て、
  もうこれは続けなければいけないな、お金ではない、
  続けて伝えていくことが、僕らの仕事だなと思っています。

  講演依頼はシステムブレーン




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