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 ○F1選手と

  F1選手と

  F1の選手と世界中転戦をしてきました。
  その選手と一緒のホテルに泊まります。


  朝食は大体7時くらいです。
  8時にはホテルを出て、9時にはサーキットに入ります。
  僕は何をするかというと、まず選手の食事の1時間前に食堂に行きます。


  大体世界中どこでも朝食はバイキングです。
  ちょこっとずつお皿に取りすべてをそろえます。
  チーズを食べ、パンを食べます。


  牛乳やオレンジジュースや、すべての食材を全部食べます。
  選手が7時ごろ来る。
  「おはよう、優司君」「おはよう」「どう?」
  「あっ、そのロールパンはおいしいよ。このトルココーヒーはすごいのどが渇くからやめて。
  この牛乳はトロトロでチーズみたいだから、これはやめたほうがいい。このパスタはいいよ。
  このサラダはおいしい。このドレッシングは辛いからだめ。バターはこれとこれにして」というふうに指示をします。


  彼は「ああこれとこれね、こんなものでいい?」
  「ああ、オッケー、オッケー。あとオレンジジュースと水は用意しとくね」。
  信頼関係があるから、僕の味覚を信用してくれるんです。


  どんなことが起こるか。食事に悩まないんです。
  彼はF-1で勝つために来ているんで、食事に勝つために来ているのではないんです。


  すべて周りのことは、僕らがケアをします。
  サーキットに出たら勝つだけ、走るだけ、それに集中させます。
  彼が食事をとっている間、僕は先にサーキットに行きます。
  Tシャツと短パンとジョギングシューズを置いて、僕は自分でジョギングをします。
  彼が1時間後、9時には来ます。


  「優司さん、今度は?」「ここのバックストレートにへびの死骸があったから、
  あそこは走らないほうがいいよ。水たまりがあるのはインコースだから、水たまりがあるよ。
  アウトコースのほうに草のいっぱい刻んだのがあるから、土は走っちゃだめ」という指示をします。
  「ああ、わかった」と言って、彼はシューズをはき、Tシャツに着がえてジョギングを始める。


  「あった、あった、これから掃除だよね」「そうそうそう」、死骸を掃除したり、その前に彼は必ず1周走ってきます。


  大体1周7キロ、40分くらいで、走ってきます。
  着がえと、タオルとレーシングスーツとヘルメットとグローブを用意しておいて、僕は次のことをします。
  午前中のプラクティスが終わったときにどうなっているか。
  血液検査をしなければいけない。
  尿検査をしなければいけない。


  尿のカップと血液用のサンプル、小さい針があって、そのサンプルで乳酸値を測定しなければいけない。
  それを用意して、僕は次のメディカルチェックブースへ行って、
  ドクターからきょうのメディカルチェックのコースというのを聞いてきて、
  11時15分にメディカルチェックがあるよというのを伝えます。


  走っている。「うわっ、きょうはすげえ滑るよ」とか言って着がえます。
  「優司さん、きょうは?」「11時10分からメディカルチェック、その前に乳酸値をとるよ」。
  「おしっこ、とってきて。あっ、すごい疲れてる。」
  お昼ごはんは唯一チームで食べるのを許されています。


  じゃあきょうのお昼ごはんはパスタにしようとか、あるいはパエリアにしようとか、
  チーズが多めのピザにしようとか、そういうメニューを考えて、
  11時40分の段階でケータリングに電話をします。


  12時40分にメディカルチェックが終わった段階で食事にします。
  2時まで休憩です。
  昼寝したり、自由に散歩したり、その間にシューマッハとか、片山右京君、鈴木亜久里君とか、
  さまざまな選手との情報交換をします。


  選手は選手同士で「どうあそこ3速でいける、4速?おまえの車は重いよな」という話を、ここら辺でしています。
  余談になりますけど、腰の高さの背の高いバーカウンターがあるんです。
  夜、レースが終わって、みんなでワインを飲んでいたんです。
  僕はその頃あまりワインは得意ではなくて、ビールを飲んでいて、僕はこうやって寄りかかっていたんです。


  僕の横に鈴木亜久里君がいて、右京君がいて、そのときはエディ・アーバインというイギリスの選手がいた。
  こういうふうに飲んでいて、僕は右京君につごうとしたんです。
  右京君につごうとしてワインボトルを持ったら、亜久里君のワイングラスをコーンと落としちゃったんです。


  鈴木亜久里君はしゃべっていたんですけれども、グラスを落とさない。
  空中で取ったんです。
  でも「あっ」と言った瞬間に、スーツに赤ワインがびっちゃりついちゃった。
  それほど彼らの動態視力はすごいんです。


  空中でどういうふうに落ちていくかというのをフッと見て取った。
  それでコンと置いて、「でさあ」と話を続ける。
  「ごめん、だいじょうぶですか」と言ったら、
  「いや、だいじょうぶ、だいじょうぶ。ちょっとタオル。タキシードなんかまたかえればいいから」。
  それで何気なく、「やっぱり3速だよな」という話を始めたんです。
  当然だよ、そのぐらい。
  カウンタースタンドから落ちる間に大体1秒ぐらいあるじゃん。


  1秒あったら2つの動作ぐらいできるじゃんという発想で、すっと取った。
  すごいよ、びっくりしちゃった。
  普通だったら、コン、カシャーンで、みんな手がとまる。
  あっ、落としちゃったという瞬間に引くよね。
  それがない、スッと動く。
  すごいですよ。


  そのレースが終わって、彼らが戻ってくる。
  メディカルチェックを終えて戻ってくると、腰が痛い、
  ひじをぶつけた、あそこは首が痛いという話をする。

  どうしようもないときだけ、マッサージをします。
  体のマッサージです。
  ストレッチングをします。


  講演依頼はシステムブレーン




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